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【コラムVol.04】水族館が翻訳対応すべき言語とは?来場者に伝わる多言語化の優先順位と進め方

外国人観光客の人気スポットとして定番化している水族館では、多言語対応が来館者満足度に直結します。
しかし、限られた予算やスタッフ体制の中で「どの言語に対応すべきか?」の判断は簡単ではありません。

この記事では、水族館の広報・運営・企画担当者向けに、来館者の傾向を踏まえた言語選定の考え方と、効率的な進め方をわかりやすく解説します。


この記事でわかること

  • 水族館に多い外国人来館者と対応すべき翻訳言語
  • 来館者データをもとに言語を選ぶ3つの判断軸
  • 無理なく進める多言語対応の実務ステップ

なぜ水族館でも「翻訳言語の選定」が重要なのか?

水族館の多言語対応で失敗しがちなのが「やみくもな翻訳」です。

こんなケースは要注意:

  • 実際には使われない言語に対応してしまう
  • 来館者が知りたい情報が訳されていない
  • 直訳が不自然で誤解を生む

翻訳対応は「誰に」「何を」「どのように」伝えたいかを明確にして、的確に進めることが重要です。


水族館に多い外国人来場者と使用言語

実際の来館傾向を知る:アジア圏のファミリー層が中心

多くの水族館では、台湾・中国・韓国など東アジア圏からの観光客が主な来場者層です。
特に地方の施設では、団体旅行や家族連れが多く、案内や注意表示の多言語化が強く求められる傾向があります。
一方、都市型の水族館では英語圏の個人旅行者も一定数を占めており、より細やかな展示情報の提供が必要とされます。

来館目的による言語ニーズの違い

来場者の目的によって、必要とされる翻訳内容にも違いがあります。

たとえば…

  • 英語圏の個人観光客:展示物の背景やストーリーなど、細かな「解説」を重視
  • アジア圏の団体客・ファミリー層:館内の移動・ルール・チケット情報など「実用的な案内」を重視

こうした傾向を把握することで、必要な翻訳の「内容」と「粒度」を判断しやすくなります。


翻訳対応言語を選ぶ3つの判断軸

水族館が翻訳対応を行う際は、次の3点を意識しましょう。

  1. 来館者データの分析
    - 入場者アンケート・チケット販売情報
  2. 地域連携の確認
    - 自治体や観光施設と足並みをそろえる
  3. 運用体制の現実性
    - 管理できる言語数/更新頻度/予算とのバランス

水族館におすすめの対応言語セット

まずは「対応すべき言語」と「増やすべきか」の判断基準を整理しましょう。

✅ 最低限対応したい言語(基本セット)

  • 英語
  • 中国語(簡体字・繁体字)
  • 韓国語

✅ 条件付きで検討したい言語

  • タイ語
  • ベトナム語
    (→ 東南アジア団体客が多い地域向け)

⚠ 多言語対応の注意点

  • 無理に数を増やすと、更新が追いつかず品質が下がる
  • 一部だけ翻訳してある中途半端な状態は逆効果

翻訳対応の実務ステップ【初めての方向け】

  1. 現状の棚卸し
    - 館内表示・パンフレット・チケットまわりをチェック
  2. 必要箇所を洗い出す
    - 外国人からの問い合わせが多い情報を整理
  3. 優先順位をつける
    - 頻度や重要度に応じて、翻訳対象を決定
  4. 翻訳方法を選ぶ
    - 重要な説明:人の手による翻訳+ネイティブチェック
    - 簡易案内:AI翻訳も併用可(要チェック体制)

まとめ|水族館の翻訳対応は「対象」と「目的」を見極めて

水族館における多言語対応は、言語の数ではなく「伝わるかどうか」がポイントです。
まずは来館者の傾向とニーズを把握し、基本的な言語から丁寧に対応を進めましょう。

  • 最小限の言語で質の高い翻訳を
  • 必要に応じて段階的に拡張を
  • “翻訳したのに伝わらない”を防ぐ工夫を

こうした取り組みが、外国人来場者の満足度を高め、施設の印象アップにもつながります。

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言語選定に迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。

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