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【コラムVol.12】「ちょっと変?」と思ったら要注意 観光施設のためのAI翻訳とプロ翻訳の違い

「翻訳ソフトで英語にしたけれど、なんだかしっくりこない」
観光施設の現場でよく聞く、そんな“ちょっとした違和感”。

外国人観光客への配慮として多言語対応は欠かせませんが、翻訳の仕上がりが不自然だと、せっかくの努力が伝わらないどころか、施設の印象を損ねてしまうことも。この記事では、AI翻訳の不自然さが起きる理由と、プロ翻訳との違い、現実的な使い分け方法をご紹介します。


この記事でわかること

  • AI翻訳の「不自然さ」が起きる仕組み
  • プロ翻訳が担う“伝わる表現”の価値
  • 誤訳や直訳が観光施設に与えるリスク
  • AIとプロ翻訳の併用で成果を出す方法

AI翻訳の精度と“違和感”の正体

「この案内、ちょっと変じゃない?」

「Google翻訳みたいな言い回しだね」

実際に観光施設で寄せられた声の一例です。言語の壁は見えにくいぶん、翻訳の質が問われる場面では“細かいところ”が印象に大きく影響します。特に英語圏のお客様は表現のトーンにも敏感です。

1. 単語ごとの変換で文脈を無視

AI翻訳は言葉を文法的に並べることに長けていますが、「その場に合った表現」を選ぶのは苦手です。

2. 文化やニュアンスのすり合わせができない

日本語特有の曖昧さや丁寧表現は、そのまま英語にするときつい印象に。「ご遠慮ください」が「Do not〜」になってしまうのはよくある例です。


プロ翻訳は何が違う?その価値と効果

【日本語原文】 靴を脱いでお入りください

【AI翻訳】 Please take off your shoes and enter.

【プロ翻訳】 We kindly ask that you remove your shoes before entering.

たとえばこの一文でも、プロ翻訳ではより丁寧で柔らかく、施設の印象を損なわない訳し方ができます。違いは「伝わるかどうか」だけでなく「どう受け取られるか」にも関わってきます。

  • 不自然な英語が原因で館内ルールを誤解される
  • 命令的な表現が「冷たい対応」と受け取られる
  • 情報不足がクレームやSNSでの悪評につながる

観光施設では、小さな表現ミスがそのまま“体験の印象”につながります。「言いたいことが伝わらなかった」は、サービス全体の評価を下げるリスクでもあるのです。

施設の個性や雰囲気も反映

たとえば歴史ある文化施設なら、上品で落ち着いた語り口に。家族連れ向けなら、親しみやすく明るい表現に。プロ翻訳は施設の世界観を壊さず伝える力があります。

「文化案内」としての翻訳

訪日客が日本の文化に触れる貴重なきっかけでもあるため、「なぜ靴を脱ぐのか」「静かにすべき場面はどんなときか」など、背景を補うこともできます。


AIとプロ翻訳、どう使い分ける?

もちろん予算の制約もあります。そこでおすすめなのが「使い分ける」発想です。

▼AI翻訳で十分な場面

・SNSや短い告知
・内部資料の下訳

▼プロ翻訳が必要な場面

・館内案内、注意事項
・パンフレット、Webサイトのトップページ

では、限られた予算内で翻訳の質を高めるために、施設内で今すぐできる準備にはどんなものがあるでしょうか?
次のような点を整理しておくと、プロ翻訳を依頼する際にもスムーズです。

✅ どの言語で何を伝えるか、事前に整理
✅ 既存資料を棚卸しして翻訳優先度を確認
✅ 社内チェック体制を整え、誤訳リスクを減らす
✅ 翻訳だけでなく、デザインや表現も相談できるパートナーを選ぶ


まとめ

AI翻訳はコストやスピードの面で非常に魅力的なツールですが、すべてを任せるにはまだ不安が残ります。観光施設に求められるのは「伝わる」だけでなく、「気持ちよく伝わる」表現。伝えたい内容とお客様の受け取り方、その両方に配慮するには、プロ翻訳の力が欠かせません。

限られた予算でも、目的に応じてAIとプロを上手に使い分けることで、質の高い多言語対応は実現できます。まずは施設内の翻訳対象を見直し、できるところから改善を始めてみましょう。

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